積分球測定データの項目はどんな特性を示していますか?

積分球測定データとはテープライトの明るさや色温度、効率性などを精密な専用測定機で計測したデータです。

積分球測定データ

積分球測定データ(Spectrum Test Report)の値を見ると、LEDテープの主要な特性が一目で分かります。データは全てLEDテープ1mの長さで測定した物です。

  • #1x y 色度図
  • #2分光分布図
  • #3演色性
  • #4明るさの指数パラメータ
  • #5電気特性
積分球 EVERFINE社(HASS-1200)

#1 x y 色度図

 x y 色度図

色度図とは国際照明委員会CIEによって定められた色を示す基準となる指標です。色は赤青緑の組合せで作られています。テープライトの発光色がグラフのどの位置にあるかを座標として示します。色度図はX軸が大きくなると赤、Y軸が大きくなると緑、値の合計は1になるのでX+Yの合計を引いた残り値(Z)が青になります。中心の白は合計が1になる場所でX(赤)、Y(緑)、Z(青)の座標値0.3333...です。

計測結果の座標位置は色度図で"+"表示がされ、レポート上には座標位置(Chromaticity Coordinate) x=0.3187、y=0.3299の様に表示されます。

積分球測定データ

色度図内の座標位置よりテープライトの色温度(Tc)が具体的に分かります。


#2 分光分布図

積分球測定データ

分光分布図(分光スペクトル)の横軸は光の波長(nm)、縦軸は強度を示しています。この図は発光色を構成している波長要素とその強弱を見やすく配列したものです。光は無色に見えますが、人の目で認識できる波長は380nm〜780nmです。この波長は短い方から青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤、赤の7色虹色に分類されます。


紫外線の種類

分光分布図から光がどの波長から構成されているのか特性が分かります。またデータ内項目のドミナント波長(Dominant WL)は目で認識される主要な波長、ピーク波長(Peak WL)はもっとも強度(出力)が高い波長示しています。

積分球測定データ

#3 演色性

積分球測定データ

演色性は光で物を照らした時に最も自然に見える光の指標です。
演色性はRa値の高さで示します。Ra値100が最大値となり、太陽光の下で物を照らした時を基準としています。演色性が高い程照らした製品はより鮮やかに見えます。この為、特に商品照明には高演色性LEDテープが使用されます。LEDはRa70-90程になります。近年は高いRa90が標準なっています。演色性が上がると明るさが一般的に下がります。

演色性は英語でColor Rendition Indexes(CRI)。つまり色を演出する指標です。どの光が一番キレイに鮮やかに物(被照射物)を見せられるかを数値で表したもので、太陽の自然光で見える状態を一番良い状態とし基準100としています。

演色性Ra目安と主な利用用途の例

演色性グループ 平均演色評価数の範囲 使用用途
好ましい 許容できる
1A Ra≥90 色比較・監査
臨床検査、美術館
1B 90>Ra≥80 住宅、ホテル、レストラン
印刷、塗料、繊維および精密作業の工場
2 80>Ra≥60 一般作業の工場 オフィス、学校
3 60>Ra≥40 荒い作業の工場 一般作業の工場
4 40>Ra≥20 トンネル、道路 演色性重要でない作業の工場

*CIE(国際照明委員会)空間別推奨Ra

Ra100が最も良い値になります。Raのaはaverage(平均値)の"a"である。つまりRendition(演)の平均値。当社ラインテープは標準でRa90以上の光源を使用しています。つまり、レストランやスーパーでの食品、アパレルショップの衣服など、製品を演出する光としてもご利用頂けます。また、ドットレスな為、均一に発光し、被照射体にドット(点)が映り込みません。

  • 演色性
  • 演色性
  • 演色性
  • 演色性

積分球測定データレポート上の#3Render Index(演色性)よりRaの値が確認できます。


#4 明るさの指数パラメータ

積分球測定データ

主に明るさの単位として「光束」、「光度」、「照度」があります。

「光束」、「光度」、「照度」とは?


光束 (ルーメン:lm) - 光の光源が全体に出す光の量を表す単位です。

光度 (カンデラ:cd) - 方向性のある光の強さを表す単位です。

照度 (ルクス:lux) - 光を照らした部分の明るさ単位です。

明るさの指数パラメータ

LEDテープライトなど⽐較的明るく光源として利用されるLED製品はルーメンが明るさの単位として使用されます。白色テープ6000Kの場合おおよそ1500~1800ルーメンになります。
明るさは一般に色温度が高い程明るくなり(6000Kを上限)、同じ種類のLEDテープでも明るさは色温度が上がるにつれてルーメン値は高くなります。

明るさの指数パラメータ

一方Ra値が高いとルーメン値は下がる(明るさは下がる)傾向にあります。

明るさの指数パラメータ

レポートではFlux(ルーメン(lm))と表示されています。またEffに1Wあたりのルーメン値が書かれており、消費電力1Wでどれくらいの明るさ性能があるか、LEDテープの発光効率が分かります。


#5 電気特性

積分球測定データ

レポート内のElectrical Paramatersに積分球で計測した際の1mあたりの電圧(V)、電流(I)、消費電力(P)が確認できます。